胸痛(胸の痛み)の原因について
胸が痛むのは、大きく分けて、心疾患、肺疾患のことが多いですが、
時に逆流性食道炎などの食道の病気や筋肉、骨に由来するもの、神経痛なども胸痛の原因となります。
これまで病気なんてしなかったのに…
これまで病気のなかった方に一瞬ズキッとするような痛みがはしり、
うずくまるような鋭い痛みでの症状で受診する胸痛があります。
こちらは、precordial catch syndromeという病気で、心配は少ないですが、
念のため一度は心臓や肺のチェックを受けられたうえで診断をつける方が良いかと思われます。
胸の圧迫感に注意!
胸痛の中でも急いで診察を受けていただきたいのは胸部が圧迫される、締め付けられるというような症状です。
これらは狭心症の可能性が高くなります。
多くは運動したときに胸の圧迫感が強くなる労作性狭心症のことが多いですが、
安静時、夜から明け方にかけて悪化しやすい冠攣縮性狭心症などがあります。
放置していると心筋梗塞に移行することもあるので早めの受診が必要です。
他にもある、胸痛の怖い病気
その他の怖い胸痛では気胸、肺塞栓、大動脈解離などがあります。
これらは突然発症する病気で場合によって突然死につながる病気として知られています。
ほとんどは救急車で運ばれるレベルですが、軽度の場合はわかりにくいこともあります。
また息を吸って痛むという場合は心膜、胸膜、肋骨、筋肉の異常があり、
発熱や肺炎症状を伴う胸膜炎、外傷などによる肋骨骨折、筋肉痛などがあります。
慢性的な胸痛について
一方慢性的な胸痛では緊急性は低くなるものの、治療により改善するものもあります。
たとえば逆流性食道炎。
こちらはとくに夕方から明け方にかけて胸の真ん中が痛くなったり、酸っぱいものが上がってくるような感じがあったり、
焼けるような感じがする病気です。
長引く胸痛で、とくにたばこを吸っている方は肺がんなどの病気も調べる必要があります。
検査としてはまずはレントゲン、心電図、エコー検査などを行い、
場合によってはCTや胃カメラ(逆流性食道炎を疑う時)呼吸機能検査(肺疾患が疑われるとき)を追加して検査します。