<咳の季節です>
かなり寒くなってきました。
このように大きく気温がさがる時には咳の症状が全体的に増えてきます。
主に、咳には急性期(3週間まで)、亜急性(3~8週間まで)、慢性期(8週間以上)の
3つの時期に分かれています。
①急性咳嗽
風邪の後に咳が長引く感冒後咳嗽、また、風邪をこじらして気管支炎、肺炎などの
ウイルス性、細菌性の病態などが比較的多いと思われます。
最近では新型コロナウイルスも咳が長引くことが知られているため、
感染が流行しているときには、こちらも同時にチェックが必要です。
②遷延性咳嗽
この時期になってくると、アレルギー的な要素が多少絡むことが多く、
咳喘息や、アトピー咳、気管支喘息の初期などの可能性が高くなってきますが
もちろん、胸部レントゲンで、肺がんや間質性肺炎、COPD(肺気腫)
慢性気管支炎などの肺疾患が隠れてないかは一度はチェックが必要です。
③慢性咳嗽
遷延性咳嗽の延長にはなり、遷延性咳嗽をきたす疾患の多くを
ここでも考えなくてはなりません。
さらに、肺や気管支の病気だけでなく
鼻炎症状を合併して、副鼻腔気管支症候群や後鼻漏(鼻水が後ろに垂れ込み
咳や痰がでる)、逆流性食道炎を合併して咳が出ているなど
その他の臓器の合併も増えてくることが多くなります。
当院では原因を突き止めて内服や吸入処方を検討していただきます。
また喫煙されている方はタバコをできる限りやめて禁煙しましょう。
さらに、
家庭でできる咳止め方法として
① はちみつ (とくに、はちみつコーヒーは科学的根拠あり論文でも推奨されています。)
→ ハチミツは、咳に対して効果があるのか? 科学的根拠は(倉原優) – 個人 – Yahoo!ニュース
はちみつは、よく風邪で処方される、抗ヒスタミン薬や痰切り薬より効果があったという
論文もいくつも発表されています。
② レンコン、ショウガ、大根
こちらは過去から感冒症状時などにも使われており、とくにレンコンは
粘膜を保護する粘りのムチンやタンニンが血管を収縮させ炎症を抑える作用があり、
気管や肺に作用して咳を鎮める力が強いと言われてます。
③ プロポリス
プロポリスとはミツバチが木の芽や樹液など、植物から源から集めた樹脂製混合物です。
プロポリスには、強力な殺菌作用・抗ウイルス作用・細胞活性化作用があり、粘膜防御作用には
かなり力を発揮してくれます。
風邪のひき初めには葛根湯とプロポリスがいいでしょう。
④ VICKS VEPORAP
これは院内、院外処方ではなく、薬局などで市販されています。
小さいころに胸に塗られた方も多いかもしれません。小児では非常に効果ありそうとの報告あります。
成人はデータが少なめですが、やってみてもよいかと思います。その場合は胸と背中に塗るのが
おすすめです。