~喘息の話~
やや専門的な喘息の話になります。
最近喘息の患者さんが増えてきています。
もともとコロナ禍になり、喘息患者様が増えてきているというデータは
いくつも出ています。
ストレスなどの要因、適度な運動不足と巣ごもりでの過食、アルコール消毒の吸入、
コロナウイルス感染(無症状含む・コロナワクチンの可能性もあり)、
気管に炎症の起こす風邪(RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス)の流行
などが考えられています。
気道の炎症がひどくなるほど少しの刺激で咳がでるようになります。
そして気道炎症を改善する治療で、過敏な咳の症状が改善します。
これに使用するのが、吸入ステロイド、気管支拡張薬になります。
気管支拡張薬には抗コリン薬とβ刺激薬があります。(効果は個人差あり)
抗コリン薬は気道を広げ、痰を抑えて、気道の壁が厚くなるのを
防ぎます。それにより気管・気管支が”ごわごわ”になり固くなるのを防ぎます。
喘息がうまくコントロールがつかない方の原因の多くは
適切な薬が使われていないもしくは、うまく処方された薬を
飲めてない、使えていないということが原因となっています。
人は薬が多いとどうしても忘れがちになります。
その意味では1つのデバイス(吸入機器)で薬を減らす工夫が大切です。
咳、痰症状、呼吸症状が強いということがある方には1分1秒でも早く
効果が出ることを第一に考えています。
特に最近はコロナ感染後の咳の症状を訴える方は症状が強いように思います。
そういう意味でも最近、吸入製剤ではトリプル製剤(1つの吸入器に3つの薬が混和されている)を
使う頻度が増えています。
最近トリプル吸入薬には以下の3つが使用可能です。
エナジア:初回5分で高い効果発現、1日1回の吸入でよい、力が弱くても操作可能
ステアリン酸Mgによる効率化・マウスフィットよし・吸いやすいデバイス/ゆっくり・軽く吸って大丈夫
高齢男性にいい(COPD(肺気腫)の合併)。
吸入までの手順が多い。
ビレーズトリ:多孔性粒子(均一な大きさで)同一部位に運ばれる・即効性あり・肺炎起こしにくい
1日2回の吸入が必要
テリルジーエリプタ:誤操作が少ない簡単な使い方が魅力。1日1回の吸入でOK、動悸・ふるえの副作用が低い・
マウスフィットに注意、薬に苦味あり。
最後に、医師が喘息コントロールできていると判断していても、
患者さんはコントロールできないと感じている方も多いようです。
このgapは呼吸機能検査、喘息質問票などを使わない場合ほど
両者のgapが開くというデータがあります。
やはり、呼吸機能検査(肺年齢チェック)は大切なので、当院では
そちらも必ずチェックしています。(下記写真)
喘鳴(ぜんめい)の症状と病気 – 大阪市西区 西大橋・本町・心斎橋・四ツ橋の内科・呼吸器内科・循環器内科 みんな幸せクリニック (minnashiawase-clinic.com)
20170210zensoku.pdf (kyoukaikenpo.or.jp)